ここは宮城県北部、大崎市岩出山。伊達政宗公の別邸もある由緒あるエリア。その本道から分かれている小さな農道をくねくねと山の中へ。
茅葺き屋根の母屋と小さな工房、そして広い農園。ここが「よっちゃん農場」の本拠地です。風がよく通る沢で、裏の山からは湧き水豊富。それを存分に使って、お天道様のもと、米を育て、畑で汗をながしてます。すべての根本はこの風景です。
農場で育てている作物は、主にお米(ひとめぼれ)と野菜、そして農場の主役「とうがらし」。作物はほとんど無農薬栽培で、丁寧に手間ひまかけて育てています。
食べ物は商材という側面だけはなく
身体を作る、暮らしを作るもの
入りは「農産加工」だったが、一次農産物の旬の力を再認識。それが竹林整備に繋がり農業の軸である風景、場作りと広がっている。ここ数年は竹作業のほか畑も取引先飲食店などにお手伝いいただき、商売プラスαの伝えるべきことを共感共有して、その先のお客さんまで届けられるように動いている。
今の目標はそういうことを軒先で伝えられる機会を作ること。
農業を儲かるビジネス、儲けられるビジネス、とは割り切れない人間なので、せこせこ小さい農家としての生き方を、今も模索中。
うちの事業の柱はこれまでも唐辛子、これからも唐辛子。それは変わりない。そこに筍、せりなど一次農産物が面白く、歩き回れば山菜は採れ、自生する自然素材の宝庫。それによって作られる風景はいいものだなぁ〜、だから住んでるんだよな。と思う。
これが一次農産物のみならば、少量多品種、単一大量作付け、今ならオプションで加工品。と、事業を伝えるのにわかりやすい。
自分の場合、ありがたいことに新規就農ではなくここに生まれ育っているだけに、伝えるものがありすぎる。伝えきれないほど。それを、これからマルッとどう伝えたらいいのか、毎日アタマを巡っている。モノを作る人とモノを評価してくれる人がしっかりと繋がれる場が基本。
2000年からのよっちゃん農場のドタバタな日々の記録
基本は「オモロイ!」そして、両者の間に「いいね!」と共有できる価値観を作るコト。見え方としてはやっぱり「ブツブツ交換」に近いかなぁ~。
マーケティングは物の一側面からの評価しかなく、私が今必要だと思うのはその背景。人や地域、暮らしや考え方。足下の価値です。そこが今、もう一度流通という土壌でも価値交換出来るような仕組みをこれからもよっちゃん農場で作って行きたいと思います。
よっちゃん農場 高橋博之